たった今、バッハが終りました。 [音楽]

演奏が終ったあとに、聴衆の拍手が入っていたので、ライヴ録音です。

パルティータの第1番。美しい。

2010年9月のブザンソン・リサイタルで、バドゥラ=スコダは1927年の10月生まれですから、もうじき83歳になるという頃の録音です。

リパッティのバッハと言えば、「イエスよ、私は主の名を呼ぶ」です。コラールです。あんなにかなしくてきれいなバッハはまれなものです。

同郷のハスキルが、親身で深い理解を示した評言を残しています。ご一読ください。

早く亡くなったので惜しむ声が高く、またバドゥラ=スコダの敬意は、親しくお付き合いしたリパッティ夫人との交流から始まって、リパッティの演奏録音の本質を理解しようとする志に転換されています。

遂には、このリサイタルをささげています。何もかもまっすぐですね。


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Paul Badura-Skoda 「Tribute to Dinu Lipatti 」が届きました。 [音楽]

この人に出会ったのは、ディスクの世界でです。

フリードリヒ・グルダが吉田秀和氏によって紹介されていました。自然とウィーン三羽ガラスのグルダ、バドゥラ=スコダ、イェルク・デームスの録音を聴くことになりました。

デームスのフランク演奏にかなり集中していた時期があります。

バドゥラ=スコダではシューベルトでしたか。

けれども、ある年、デームスのフランク演奏が鎌倉であったときに、遂に聴きに行きそこねて、がっかりしていたとき、バドゥラ=スコダが、ご近所にやってきたのです。

森の中の音楽堂で、古楽器を指定して、モーツァルトなどを演奏しました。もうかなり高齢ですから、演奏が終ったあとに、椅子から離れる際に、脚がもつれて、ひやりとしました。

音は典雅で軽くて、モーツァルト原曲の持つ、意識がどこかに向かって遠のいて行くような牽引力が遺憾なく発揮されました。

彼がリパッティを記念した演奏をしたわけです。

楽しみです。まだ聴かぬ前が一番楽しいのかも知れません。


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