リヒテルのラヴェル [音楽]
ラヴェルの曲がどのように活かされるかは、演奏者の意図によって左右されます。
晩年、フランクとラヴェルの小品をセットで弾いていました。
このことは表現の「完成」の概念に近接して、指向する先に、何か透明な対象を現出させます。
認識論は存在論と決して交錯しないものですが、芸術表現の中ではそれが可能であって、ないものがあるのです。
あるいはムーティとの共同作業においても、期するところがあったのかも知れません。
遠く遠く求めて近くに立ち現われる内面。
アナトリー・ヴェデルニコフ [音楽]
強烈な意志で自己完結している思想。
リヒテル氏の証言がもっと多かったらよかったのですが、ヴェデルニコフ氏の音楽ではなく、ひととなりの方に思い出が集中してしまって、肝心なところを聞き落としたような気がします。